
大雲寺宝刀 貞 宗
関白秀次の小姓「山本主殿(とのも)」は文禄四年(1595年)7月15日高野山にて切腹し秀次により介錯された。享年18歳 生前に秀次より拝領された相州貞宗は歿後、山本主殿の身内によって菩提寺「大雲寺観音院」に奉納された。
大雲寺の宝刀「石座貞宗」は代々時の住職に引き継がれ今日に至るが、秘仏の厨子奥深くに奉納されていたため、その存在を失念していた。
本年(令和7年)335年ぶりに「秘仏十一面観音の御開帳」を執り行うに当たり、厨子のお清めを行っているときに古裂に包まれた短刀に目がとまった。先代から聞いていた「貞宗」という短刀であると瞬時に理解できた。
現代社会においては法具といえども、このままでは刀剣類の不法所持になるため、銃刀法の定めにより地元警察に発見届けを提出して、後日京都府教育委員会の審査受けて、所有することが許された。(令和7年1月21日付 登録)